おいしいコーヒーの真実
コーヒーに関する仕事をしていたら、やはりこの作品について触れておかないとまずいでしょう。以下はWikipediaからの抜粋。
『おいしいコーヒーの真実』(英題:Black Gold)は、2006年に公開(日本では2008年公開)された英米合作のドキュメンタリー映画。エチオピアでのコーヒー生産農家の地位向上のために活動するタデッセ・メスケラに焦点を当て、世界経済・貿易の不均衡と搾取の実態をレポートしたもの。
全世界で1日20億杯飲まれるコーヒーは、石油に次ぐ取引規模を誇る国際商品であるが、その莫大な市場規模に対してコーヒー農家に支払われる対価は低い状況が続いている。そんな中で1990年から2000年にかけて発生した国際市場相場の暴落は生産者の生活を崩壊させ、麻薬植物の栽培へ転向する生産者が出るような状況に陥っている。
アフリカ・エチオピアでそうした状況を打破しようと生産者組合を組織して奮闘する活動家タデッセ・メスケラに密着し、コーヒー農家の過酷な生活実態と、取引相手となる先進国大企業の不公平な取引事情を描く。『公式サイト』ではそのキャッチとして「1杯330円のコーヒーから生産者が手にする金額を3-9円」と紹介している。
世界の事柄を紹介するようなドキュメンタリー番組などを見ていると、途上国で粗末な衣服を身につけた人々が、何らかの搾取をされているシーンというのを目にしますが、まさにそれです。近年、ファストファッションのブランドが、過酷な労働環境のなか低賃金で働かせていて問題になったことがありましたが、そのコーヒー版ですね。過酷な労働環境が描かれます。コーヒー栽培では生活出来ずに農園を手放す人やコーヒー農園から麻薬栽培に変える人も、さらに驚かされるのは、その代価が大差なかったりと、観ていると何とも言いようのない苦い味が広がりました。世の中が生まれながらに公平なんてことは思っていませんが、少なくとも不公正は人々の手でどうにかなる部分が多いと思います。適正な価格で取引されれば貧困に喘ぐ人々が少なくなり、当然緊急支援も少なくなるし、使われる金額も減る。結局は巡り巡って自分たちに帰って来る。昔♪Love is blindという切ない歌が流行りましたが、この場合はGreed is blindですね。『愛』も『欲』も過ぎたるは及ばざるが如し。やはり、コーヒーブレイクは必要ってことです。そんな時にたまには地球の裏側のことなどを考えてみましょう。
ご覧になってない方は是非観て下さいね。既に10年以上前の作品ですので、現在はどんな状況なのか分かりません。少しでも好転していると良いのですが・・・今の私に出来ることはコーヒー好きの方にこういう映画があることをお知らせすることくらいです。
データ(Webサイト『映画「おいしいコーヒーの真実」がアツイ!?』から引用)
・コーヒーは世界約70カ国で生産されており、コーヒー農業に従事する労働者は2500万人以上。
・ 世界市場において、コーヒーの年間売上高は800億ドルを超える。
・ 世界市場で石油に次ぐ巨大な国際的貿易商品。
・ 全世界での一日当たりの消費量は約20億杯。
- 日本は、アメリカ、ドイツに次いで世界第3位の輸入国。
- エチオピアでは5人に1人がコーヒーで生計を立てている。
- エチオピアではコーヒーが、国の輸出額の67パーセントを占めている。
- エチオピアは高品質のコーヒーを産出することで知られている。
・世界のコーヒー市場を支配するのは、4つの多国籍企業。
・クラフト・フーズ(世界第二位の食品会社。日本ではAGFとして知られている)
・ ネスレ(世界最大の食品会社)
・ P&G(米国の大手日用品メーカー)
・ サラ・リー(シューケア製品ブランド KIWIが有名)
・コーヒーの価格はニューヨーク(アラビカ・コーヒー)とロンドン(ロブスタ・コーヒー)での先物相場によって決定される。
・ 2001年から2003年の間、コーヒーの価格は30年間の中で最低まで落ちた。
・ エチオピアは最貧国のひとつであり現在はこの20年間でも最も緊急支援に依存している。平均して年間700万人の人々が、緊急支援を必要としている。
・アフリカの国際商取引の割合が1パーセント上がるだけで、年間700億円を生み出すことができる。これは、この大陸が現在支援で得ている額の5倍に当たる。
・ 日本でのフェア・トレードのシェアは、レギュラー・コーヒー市場において0.2%程度。イギリスでは焙煎粉コーヒーの約2割、アメリカで全コーヒーの約2%がフェアトレードになっている。